嘉島町の災害と対策
災害とは
暴風、豪雨、豪雪、水害、高潮、地震、津波、噴火、火災、爆発、地滑り、山崩れ、崖崩れ、土地の沈降、旋風、その他冷害や霜害などの異常な自然現象を言います。
嘉島町における災害の経緯とその対策
温暖な気候と平坦な水田地帯の嘉島町において想定される災害は、暴風、豪雨、水害、地震にほぼ限定されると言えます。
なかでも、水害との闘いは嘉島町の歴史そのものでありました。一級河川の緑川、加勢川、御船川及び矢形川に四方を囲まれ、また町内の至る所に湧水池が点在する地域であり、加えて熊本市との境を流れる加勢川は、その昔、熊本城下を戦略的に守るため、嘉島町側は遊水地帯になるよう左岸堤は築かれないままになっていましたので、雨期になると度々氾濫し、農地はもとより道路や住宅まで浸水する状況が続く全国的にも稀な水害常習地帯でありました。
特に、昭和28年、昭和57年、昭和63年の出水は大水害となりました。直近の昭和63年には、季節外れの5月3日に熊本県下全域を襲った集中豪雨が御船川右岸堤防の決壊を引き起こし、嘉島町における最大冠水面積は12平方キロメートル(町域の72%)にも達し、床上浸水240棟、床下浸水350棟という有り様でした。そのようななか、不眠不休の活動で一人の死傷者も出すことなく被害を最小限に防御した消防団員の適切な判断・行動は特筆ものでありました。
このような状況下にあって、有史以来、水害常習地帯からの脱却は町民の長年の悲願でありましたし、その元凶である加勢川の改修に町を挙げて営々と取り組んできた結果、平成11年夏にようやく改修の概成を見たところであります。その後は、水害の心配が全く無くなった状況にありますが、現在も引き続き内水対策としての排水機場建設に加え、一部堤防の嵩上げや河床の掘削等残事業が施工されており改修計画の完遂も間近となっています。
一方、平成12年には、緑川流域市町村と河川管理者を含めた「緑川水防演習協議会」を設置し、消防団員等による訓練を定期的に実施しており、水害を想定した水防工法の習得や流域住民へ啓発を行うとともに、万一破堤した場合を想定した町内の浸水状況と住民の避難方法の情報を住民に分かりやすく提供するために防災対策資料(ハザードマップ)を作成するなど、ハード、ソフト両面から有事に備えた対策を講じています。
水・火災に対し、人の力では防ぎようのない災害に台風や地震といった自然災害が想定さ
れます。最近では、平成3年の台風19号や平成11年の台風18号は猛烈な強風が吹き荒れ大きな被害をもたらしました。また、平成12年には熊本地方が震源地となり、本町でも震度5を記録する大きな地震が発生しました。幸いに被害は軽微でありましたものの、その対策として正確・迅速な情報の伝達が必要であります。
本町は、平成16年から「メール配信サービス」、「テレフォンサービス」、「ホームページへの掲載」による情報提供を行っていましたが、より多くの住民への正確かつ迅速な情報の伝達手段として平成19年に「防災行政無線」が整備され、災害発生時等に即応できる防災体制の確立はもとより、平常時における各地域ごとの情報提供をも可能となりました。安全・安心の確保は、嘉島町の将来像である「真の豊かさを実感できる安定感のある地域社会」の実現に向け大きく寄与するものと信じます。
「災害は忘れたころにやって来る」と言われます。行政と町民が同じ視点に立ち、危機管理体制を充足し持続させることが大切であると考えます。
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