○嘉島町職員の懲戒処分の基準に関する規程
平成18年12月20日
規程第2号
(趣旨)
第1条 この規程は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「地公法」という。)第29条第1項及び職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和30年嘉島村条例第23号)に規定する職員の懲戒に関し、処分の指針、処分量定のほか必要な事項を定めるものとする。
(処分の標準例)
第2条 一般服務関係において職員が違法行為や全体の奉仕者としてふさわしくない非行等(以下「非違行為」という。)を行った場合の懲戒処分の標準的な処分量定は、次の各号に定めるところによる。
(1) 欠勤
ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。
イ 正当な理由なく連続して又は連続したとみなされる11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。
ウ 正当な理由なく連続して又は連続したとみなされる21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。
(2) 遅刻・早退
勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。
(3) 休暇の虚偽申請
病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員は、減給又は戒告とする。
(4) 勤務態度不良
勤務時間中に無断で職場を離れて職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。
(5) 職場内秩序を乱す行為
ア 職場の上司、同僚等に対する暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。
イ 職場の上司、同僚等に対する暴言により職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。
(6) 虚偽報告
事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、減給又は戒告とする。
(7) 秘密漏えい
ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員は、免職とする。
イ 具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
(8) 違法な職員団体活動
ア 地公法第37条第1項前段の規定に違反してストライキその他の争議行為をなし、又は職場の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 地公法第37条第1項後段の規定に違反して違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員は、免職又は停職とする。
(9) 違法な政治的行為
ア 地公法第36条第1項の規定に違反して政党の結成に関与等した職員は、免職又は停職とする。
イ 地公法第36条第1項の規定に違反して特定の政治的目的をもって勧誘活動、文書の配布・掲示等の政治的行為を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。
(10) 営利企業への従事
許可を得ず、営利を目的とする会社等の役員等を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業等に従事した職員は、減給又は戒告とする。
(11) 入札談合等に関与する行為
町が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とする。
(12) 個人の秘密情報の目的外収集
その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員は、減給又は戒告とする。
(13) 公文書の不適正な取扱い
ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。
イ 決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。
ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給、又は戒告とする。
(14) セクシャル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動並びに当該性的な言動への対応に起因して職員にその勤務条件につき不利益を与えるものをいう。)
ア 暴行若しくは脅迫によりわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力により、強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
イ 相手の意に反し、わいせつな発言、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな発言等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合において、わいせつな発言等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。
ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな発言等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。この場合において、わいせつな発言等の性的な言動を行ったことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は停職又は減給とする。
エ 性的な言動への相手の対応に起因して相手の勤務条件について不利益を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。
「注意事項」
処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。
(15) パワー・ハラスメント(職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう。以下同じ。)
ア パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。
イ パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した職員は、停職又は減給とする。
ウ パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた職員は、免職、停職又は減給とする。
「注意事項」
処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。
(16) 個人情報等の流出、紛失、盗難
個人情報を含む町の所有する情報資産を、重大な過失により、流出し、又は紛失し、若しくは盗難に遭った職員は、減給又は戒告とする。
(17) 個人情報保護条例違反
嘉島町個人情報保護条例(平成13年嘉島町条例第10号)第11条の規定に違反し、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職又は減給とする。
(18) 法令等違反及び不適正な業務執行
職務の執行に関して法令等に違反し、又は事務処理を適正さを欠き、又は職務命令に従わず、公務の運営に支障を与え、又は町民等に重大な損害を与えた職員は、停職、減給又は戒告とする。
(19) 収賄
職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束した職員は、免職又は停職とする。
(公金、公有物品取扱い関係)
第3条 公金、公有物品取扱い関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、次の各号に定めるところによる。
(1) 横領
公金又は公有物品(以下「公金等」という。)を横領した職員は、免職とする。
(2) 窃取
公金等を盗んだ職員は、免職とする。
(3) 詐取
人を欺いて公金等を取得した職員は、免職とする。
(4) 紛失
公金等を紛失した職員は、戒告とする。
(5) 盗難
重大な過失により公金等の盗難に遭った職員は、戒告とする。
(6) 物品損壊
故意に職場において公有物品を損壊した職員は、減給又は戒告とする。
(7) 出火・爆発
過失により職場において官物の出火・爆発を引き起こした職員は、戒告とする。
(8) 給与等の違法支払・不適正受給
故意に法令に違反して給与等を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして給与等を不正に受給した職員は、減給又は戒告とする。
(9) 公金等処理不適正
自己保管中の公金を流用するなど、公金等の不適正な処理をした職員は、減給又は戒告とする。
(10) パソコン・インターネットの不正使用
職場のパソコンを業務以外の目的で利用し、又は私用メールを送り、若しくは業務に関連のないインターネットを閲覧するなど、職務目的外に利用した職員は減給又は戒告とする。
(公務外非行関係)
第4条 公務外非行関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、次の各号に定めるところによる。
(1) 放火
放火をした職員は、免職とする。
(2) 殺人
人を殺した職員は、免職とする。
(3) 傷害
人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。
(4) 暴行
人に暴行を加えた職員は、減給又は戒告とする。
(5) 器物損壊
故意に他人の物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。
(6) 横領
ア 自己の占有する他人の物を横領した職員は、免職又は停職とする。
イ 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した職員は、減給又は戒告とする。
(7) 窃盗・強盗
ア 他人の金品を盗んだ職員は、免職又は停職とする。
イ 暴行又は脅迫により他人の金品を強奪した職員は、免職とする。
(8) 詐欺・恐喝
人を欺いて金品を取得し、又は人を恐喝して金品を取得した職員は、免職又は停職とする。
(9) 賭博
ア 賭博をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 常習として賭博をした職員は、停職とする。
(10) 麻薬等の所持等
麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。
(11) 酩酊による粗野な言動等
酩酊して、公共の場所や乗り物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員は、停職又は減給とする。
(12) みだらな性行為
18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束してみだらな性行為をした職員は、免職、停職又は減給とする。
(13) 痴漢行為
公共の場所又は乗り物において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。
(14) 盗撮行為
公共の場所若しくは乗り物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。
(15) わいせつ行為
不同意性交等、不同意わいせつ、公然わいせつ、又はわいせつ目的をもって体に触れる等の行為をした職員は、免職、停職又は減給とする。
(16) ストーカー行為
ア ストーカー行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第2項に規定するストーカー行為をいう。以下同じ。)をした職員は、減給又は戒告とする。
イ ストーカー行為等の規制等に関する法律第4条に規定する警告を受けたにもかかわらずストーカー行為をした職員は、停職又は減給とする。
(交通事故・交通法規違反関係)
第5条 職員が起こした交通事故・交通法規違反等(以下「交通事故等」という。)に係る標準的な処分量定は、次の各号に定めるところによる。
(1) 飲酒運転
ア 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。
イ 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。
ウ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。
(2) 飲酒運転以外
ア 人を死亡させ、又は重傷を負わせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、事故後の必要な措置を講じなかった職員は、免職又は停職とする。
イ 人に傷害を負わせた職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において、事故後の必要な措置を講じなかった職員は、免職又は停職とする。
ウ 著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして必要な措置を講じなかった職員は、停職又は減給とする。
(処分の指針)
第6条 懲戒処分をするに当たっては、次の各号に定める要素を勘案の上、総合的に判断するものとする。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか。
(2) 故意又は過失の度合いはどの程度であったか。
(3) 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか。その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか。
(4) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか。
(5) 過去に非違行為を行っているか。
(1) 事故の発生原因及び状況
(2) 町に与えた損害の有無
(3) 刑事処分の有無及び量刑
(4) 公安委員会の行政処分の有無及び程度
(5) 事故を起こした者の前歴及び相手方の過失の程度
(加重)
第7条 任命権者が懲戒処分を行う場合において、次のいずれかの事由があるときは、これらの規定により行うことのできる懲戒処分より重い懲戒処分を行うことができる。
(2) 職員が行った行為の態様が極めて悪質であるとき。
(3) 職員が行った行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。
(4) 職員が管理監督の地位にあるなど、その職の責任の度が特に高いとき。
(5) 職員が非違行為を行ったことを理由として、過去に懲戒処分を受けたことがあるとき。
(軽減)
第8条 任命権者が懲戒処分を行う場合において、次のいずれかの事由があるときは、これらの規定により行うことのできる懲戒処分より軽い懲戒処分を行うことができる。
(1) 職員の日頃の勤務態度が極めて良好であるとき。
(2) 職員が自ら行為が発覚する前に自主的に申し出たとき。
(3) 職員が行った行為の違反の程度が極めて軽微である等特別の事情があるとき。
(免除)
第9条 職員が行った行為が非違行為に該当する場合において、当該非違行為の態様に照らし懲戒処分を行わないことに相当の理由があると認められるとき(原則として懲戒処分の種類に戒告が含まれている時に限る。)は、懲戒処分を行わないことができる。
(監督責任等)
第10条 この規程に定める基準により懲戒処分をする場合において、懲戒処分を受ける職員(以下「当事者」という。)以外の職員が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該職員に対し当事者に準じた処分を行う。
(1) 部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていたとき。
(2) 職員の非違行為を知ったにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認したとき。
(3) 交通事故等において、飲酒運転並びに著しい速度超過等の悪質な交通法規違反を知りながら同乗したとき。
(報告義務)
第11条 職員は、交通事故等を起こした場合には、直ちに所属長に報告しなければならない。
(非違行為の上申)
第12条 所属長(課長等)は、職員の行為がこの規程に定める事由に該当すると認めるとき、又は職員から交通事故等の報告を受けたときは、その事実を調査し、非違行為上申書(別記様式)により速やかに任命権者に上申しなければならない。
(その他)
第13条 この規程に定めるもののほか懲戒処分に関し必要な事項は、任命権者が別に定める。
附則
この訓令は、平成19年1月1日から施行する。
附則(平成28年1月13日規程第2号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(平成28年10月27日規程第9号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(平成30年10月22日規程第2号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(令和3年3月9日規程第2号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(令和4年6月1日規程第3号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(令和5年7月13日規程第6号)
この規程は、公布の日から施行する。