○嘉島町情報公開条例
平成13年9月13日
条例第8号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の開示(第5条―第18条)
第3章 審査請求等(第19条―第21条)
第4章 補則(第22条―第27条)
附則
地方自治の基本は、公正で透明な町政を推進するとともに、町民の町政への参加を促進して、一層開かれた町政を実現していくことにあります。
その実現に欠かせないのが、公文書を広く開示し、情報を積極的に提供する情報公開制度です。本町は、個人のプライバシーの保護に最大限の配慮をしつつ、町民の知る権利を尊重して情報公開に努めることにより、町政の諸活動を町民に説明する責務を果たし、誇りを持てる郷土を町民とともに築いていきたいと思います。
このような基本理念のもと、公文書の開示を求める町民の権利を明らかにするとともに、情報公開制度の総合的な推進を図るため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、公文書の開示を求める町民の権利を明らかにするとともに、公文書の開示及び情報公開制度の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、開かれた町政の推進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは、議会、町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することのできない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が管理しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売し、又は頒布することを目的として発行されるもの
(2) 前号に掲げるもののほか、嘉島町公民館その他これらに類する施設において、一般の利用に供することを目的として管理されているもの
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、公文書の開示を請求する権利が十分保障されるようにこの条例を解釈し、運用するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報をみだりに公にすることのないように最大限の配慮をしなければならない。
第2章 公文書の開示
(開示請求権)
第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の管理する公文書の開示を請求することができる。
(開示請求の手続)
第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出してしなければならない。
(1) 開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあってはその代表者の氏名
(2) 公文書の名称その他の開示請求に係る公文書を特定するに足りる事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により、公にすることができないとされている情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。次条第2項において同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第2項に規定する特定独立行政法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。以下同じ。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び氏名並びに当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報及び支出に係る公文書であって法人等又は個人と実施機関との契約に関するものに記録されている情報のうち当該支出の相手方である法人等又は個人の名称又は氏名に係る部分を除く。
ア 公にすることにより当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 公にすることにより、犯罪の予防又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報
(5) 実施機関並びに国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に町民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 実施機関又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しくは地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、町又は国若しくは他の地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 町若しくは国若しくは他の地方公共団体が経営する企業、独立行政法人等又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第9条 実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報(第7条第1号の情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該公文書を開示することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第11条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨を決定し、速やかに、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し、規則で定める事項を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を管理していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、速やかに、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(1) 本条を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限
(事案の移送)
第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書が他の実施機関により作成されたものであるときその他他の実施機関において開示決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした実施機関は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第15条 開示請求に係る公文書に国、他の地方公共団体及び開示請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る公文書の表示その他規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、開示請求に係る公文書の表示その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該公文書の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、当該意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
(開示の実施)
第16条 公文書の開示は、文書又は図画については、閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による公文書の開示にあっては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
2 開示決定に基づき公文書の開示を受ける者は、規則で定めるところにより、当該開示決定をした実施機関に対し、その求める開示の実施の方法その他の規則で定める事項を申し出なければならない。
4 開示決定に基づき公文書の開示を受けた者は、最初に開示を受けた日から30日以内に限り、実施機関に対し、更に開示を受ける旨を申し出ることができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
(費用の負担)
第18条 開示を請求して、公文書の写しの交付を受ける者は、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
2 開示を請求して、電磁的記録の開示を受ける者は、当該電磁的記録の種別に応じ規則で定める開示の実施の方法ごとに定められた当該開示の実施に要する費用を負担しなければならない。
第3章 審査請求等
(審査請求)
第19条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、上益城情報公開及び個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(当該公文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第42条第1項に規定する審理員意見書及び同法第41条第3項に規定する事件記録を添えてしなければならない。
3 実施機関は、第1項の諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重して、速やかに、当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。
(諮問をした旨の通知)
第20条 前条第1項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問実施機関」という。)は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を書面により通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
第4章 補則
(公文書の管理)
第22条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を法令等に従って適正に管理するものとする。
(開示請求をしようとする者に対する情報の提供等)
第23条 実施機関は、開示請求をしようとする者が容易かつ的確に開示請求をすることができるよう、公文書の検索に必要な資料等当該実施機関が管理する公文書の特定に資する情報の提供その他開示請求をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
(実施状況の公表)
第24条 町長は、年1回、各実施機関の公文書の開示等についての実施状況をとりまとめ、これを公表するものとする。
(情報公開の総合的推進)
第25条 町は、実施機関の管理する情報の提供及び公表に関する施策の充実を図り、町政に関する情報を町民が容易に得られるよう、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
(出資団体等の情報公開)
第26条 町が出資等を行う法人その他町政と特に密接な関連を有する法人のうち規則で定めるもの(以下「出資団体等」という。)は、当該出資団体等の公共性にかんがみ、情報の公開に努めるものとする。
2 実施機関は、出資団体等に対し、その情報の公開が推進されるよう、必要な指導に努めるものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成14年4月1日から施行する。
(適用範囲)
2 この条例は、施行日以後に実施機関が作成し、又は取得した公文書について適用する。
附則(平成14年3月20日条例第8号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成20年12月8日条例第13号)
この条例は、平成21年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月11日条例第8号)
(施行期日)
1 この条例は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
(経過措置)
2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。
附則(平成29年12月4日条例第28号)
この条例は、公布の日から施行する。